当サイトの独自企画として2015年日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーを12月30日に発表しましたが、昨年の当サイトの記事を振り返ってみたいと思います。
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年始のから山に出かけている方も、家族とのんびり過ごしている方も、当サイトの記事で昨年を振り返ってみてはいかがでしょうか。
現地からライブでお届けしたレース速報
2015年は国内外で合計13のトレイルランニング大会の模様を、レースで上位を走る選手を中心にライブ速報をお伝えしてきました。当サイトではトレイルランニング、ウルトラマラソン大会のライブ速報を様々な大会からご依頼いただいてお送りしています。大会主催者の方でご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。
シーズン開幕は香港から。1月のHong Kong 100 Ultramarathonと2月のスカイランニングアジア選手権・MSIG Sai Kung 50は世界規模のシリーズ戦と位置付けられたため欧米からも有力選手が集まり、その大会のリザルトを紹介する記事や写真をあちこちでみることができました。秋から冬の香港は日本のトレイルランナーにとっても行きやすい海外レースとしてかなり知られるようになってきました。他方で香港のトレイルランナーの間ではUTMFは人気が高いといいます。
国内は4月のハセツネ30kがキックオフとなりました。5月のゴールデンウィークにはOSJ・パワースポーツによるエリート選手のみによる50kmのトレイルランニングレース、王滝50kが開催されて話題になりました。御嶽山噴火で麓の王滝村への観光客が減る中で、アウトドア・アクティビティを通じて村を支援しようという趣旨で、あわせて各種のイベントが開催されて盛況となりました。
初夏はスカイランニングの各イベントを取材。特に今年7月の世界選手権に向けた代表選考としても注目を集めた日本選手権の各イベントはいずれもハイレベルなレースとなりました。秋の尾瀬岩鞍VKも初開催ながら各地から多くのスカイランニングの愛好家を集めました。
7月には富士登山競走へ。今回ははロードマラソンで活躍する松本翔さんが優勝。富士登山競走は取材する側にとっても過酷なイベントです。
8月には2年ぶりにUTMBの取材へ。UTMBのほかCCCについてもレース展開をリアルタイムで紹介しました。現地でレースを見守った鏑木毅さんにインタビューして講評していただいたのも人気を集めました。
9月は信越五岳の様子を徹底取材。バラエティに富んだ国内随一の美しいコースは今年も天候に恵まれ、原良和さんが3回目の優勝、その直後に行われたUTMFについては当サイトは取材することができませんでしたが、様々なドラマが生まれた大会となりました。
10月のハセツネはベテランの奥宮俊祐さん、北島良子さんがそれぞれ初優勝。最近はスピードレースの様相で序盤からリードしてフィニッシュという展開が多かったハセツネで、中盤や終盤の逆転劇による優勝はトレイルランニングの面白さを改めて伝えました。
11月には滋賀高島フェアリートレイルへ。関西ではすっかり人気の大会となりつつあるこのイベントは地元・朽木の皆さんのもてなしの温かさが印象に残りました。
スカイランニングについては、JSAの協力で現地には取材に行けなかった大会についてもその結果をご紹介してきました。今年はさらに充実したスカイランニングのニュースをお届けしていくつもりです。
海外レースに参加された皆さんによるレースレポート
海外のトレイルランニングレースに参加された皆さんにはレースレポートを寄稿していただきました。原良和さんのTarawera(2月、ニュージーランド)、上田瑠偉さんのSean O’Brien(2月、アメリカ)、鏑木毅さんのThe North Face 100 Taiwan(4月、台湾)、平林弘行さんのIznik Ultra(4月、トルコ)、上宮逸子さんのNivolet Revard(5月、フランス)、丹羽薫さんのTransvulcania(5月、スペイン)、奥宮俊祐さんのEiger Ultra Trail(7月、スイス)、佐藤圭介さんのLimone Xtreme(10月、イタリア)を掲載しました。当サイトの岩佐もIznik Ultraのレポートを投稿しています。
当サイトではエリート選手だけでなく、幅広いランナーの皆さんのレースレポートを紹介したいと考えています。当サイトのために執筆していただける方は自薦、他薦とも歓迎いたします!
ロングインタビュー
レースで上位となった選手へのインタビューとは別に当サイトでは注目の人物の実像を紹介するロングインタビューも行ってきました。昨年は2014年の日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤーの稲葉賞(本賞)を受賞した上田瑠偉さんのインタビューを2月初めに公開。さらにアメリカの山岳コースのFKT(最速走破記録)のレジェンドであり、現在はUltrAspireの創業者として活躍するブライス・サッチャーさんにインタビューする機会もありました。秋には、サロモンのインターナショナルチームのトップアスリートが来日し、チームサロモンの強さの背景について聞くことがありました。特にチームマネージャーであり、尾瀬岩倉VKでは3位という実力も持つグレッグ・ヴォレさんの話は印象に残りました。
トレイルランニングというスポーツの今後を考える材料
トレイルランナーの山でのマナーやトレイルランニング大会の環境に対する影響への批判的な見方について社会の関心が高まっていた中、今年2月には環境省が国立公園の利用に関する指針についての説明会を開催。続く3月には東京都が自然公園の利用ルールを策定。シーズンオフのトレイルランニング・コミュニティでは大きな話題となりました。
当サイトでは、トレイルランニングの競技としての組織作りについて国内外の状況を常にリサーチしていますが、2014年に設立された国際トレイルランニング協会(ITRA)については昨年春に公表したプレスリリースの日本語訳を紹介しました。欧州を中心に組織作りを進めているITRAはトレイルランニングの国際的な組織作りの中心的存在ですが、その欧州のフランスでも組織作りのあり方には様々な見方があることを紹介しました。
ITRAが進める施策の一つが世界各地のトレイルランニングについて審査を行うことで、そのコースの難易度や運営の適切さを評価することが挙げられます。ITRAは昨年4月から新しい仕組みによる評価制度をスタートさせ、UTMBは2016年大会から新ポイントによるエントリー資格を発表しました。
このほか、ITRAでは国際ウルトラランナーズ協会(IAU)と協力して2016年のIAUトレイルランニング世界選手権を今年10月にポルトガルで開催することを発表しました。
12月に入ってアメリカで起こったのは、過去に反ドーピングに違反したことがあるアスリートはトレイルランニングレースに参加させるべきではない、という強い主張でした。この経緯についても紹介しています。
ギアレビュー
シューズやバックパック、ウェアなど、トレイルランニングのギアレビューについては当サイトはあまり頻繁には行っていません。これは独自の情報を持ち、読者にとって役立つレビューとするには詳細な検証や言葉を尽くした説明が必要であると考えるためです。こうした方針をご理解いただいた各社にご協力いただき、今年はRaid Light、Verticalのバックパック、Mountain Kingの軽量トレッキングポールについてレビューを公開しました。上記の方針に沿ったギアレビューは今後も行っていきたいと考えていますのでどうぞお楽しみに。
2016年もトレイルランニング・ウルトラマラソン・アウトドアライフのオンラインメディア、DogsorCaravan.comをどうぞよろしくお願いいたします。